少年サッカーの現場で、こんな言葉をよく耳にします。
- 「リーダーシップがある子がいない」
- 「キャプテンが機能していない」
- 「声を出す子が育たない」
しかし、本物のリーダーは“生まれつき”ではありません。
正しい関わりと環境があれば、どの子にもリーダー性は育ちます。
この記事では、
- 少年サッカーにおける「本物のリーダー」とは何か
- 間違われがちなリーダー像
- リーダーが育たない原因
- 指導者・保護者ができる具体的な育て方
- 試合・練習での実践方法
を、育成年代の視点で詳しく解説します。
目次
そもそも「本物のリーダー」とはどんな選手か?

少年サッカーで言う本物のリーダー とは、
- 声が大きい子
- 一番うまい子
- キャプテンマークを巻いている子
だけを指すものではありません。
本物のリーダーの特徴
- 仲間を気にかけられる
- 困っている子に声をかけられる
- 負けている時に逃げない
- 行動で示せる
- 自分よりチームを優先できる
つまり、影響力を持ってチームを前向きにする存在 です。
少年サッカーでよくある「間違ったリーダー像」
① 声が大きい=リーダー
声が出ることは大切ですが、
- 文句が多い
- 命令口調
- ミスを責める
これでは逆効果です。
② 一番うまい子=リーダー
技術が高くても、
- サボる
- 協力しない
- 不機嫌になる
選手は、仲間から信頼されません。
③ キャプテン=唯一のリーダー
キャプテン一人に
リーダー役を背負わせると、
- 負担が大きい
- 他の子が受け身になる
チームは育ちません。
なぜ少年サッカーではリーダーが育ちにくいのか?
① 大人が先回りしすぎる
- 指示を全部出す
- 声をかける役を奪う
子どもが考え、動く機会 を失います。
② 失敗すると叱られる環境
声を出して、
- 間違えた
- 的外れだった
この経験が続くと、子どもは黙ります。
③ 一部の子だけに役割を与えている
- キャプテン固定
- いつも同じ子が声出し
これでは、他の子が育ちません。
本物のリーダーを育てるための基本原則

原則① リーダーは「役割」で育つ
性格ではありません。経験 が人をリーダーにします。
原則② リーダーは複数いていい
- 声のリーダー
- 行動のリーダー
- 気配りのリーダー
チームにはいろいろな形のリーダーが必要です。
原則③ 失敗する権利を与える
間違えた声かけも、成長の一部です。
すぐ大人が失敗を指摘するのではなく見守ることも成長に必要です。
実践編①|練習でリーダーを育てる方法
① 役割をローテーションする
- 今日の声出し係
- ウォーミングアップ担当
- 片付けリーダー
全員に経験させます。
② 指導者が一歩引く時間を作る
- 作戦を子どもに考えさせる
- 円陣を任せる
沈黙があっても、待つことが大切です。
③ 良いリーダー行動を言語化する
- 「今の声かけ良かったね」
- 「仲間を見てたね」
具体的に褒めることで、再現されます。
実践編②|試合でリーダーを育てる方法
① キャプテンを固定しない
- 学年
- 大会
- 試合
ごとに変えるのも効果的です。
② ベンチにも役割を与える
- 応援
- 声出し
- 気づき係
試合に出ていなくても、リーダーは育ちます。
③ 失点後の役割を決める
- 集める役
- 声をかける役
切り替えの文化が育ちます。
実践編③|性格別リーダー育成アプローチ
① おとなしい子の場合
- 小さな役割から
- 1対1で事前に伝える
成功体験を積ませます。
② うまいが天狗になりやすい子
- 責任ある役割
- チーム貢献を評価
「背中で示す」方向へ導きます。
③ ムードメーカータイプ
- 雰囲気作りを評価
- 声の質を整える
ふざけすぎない指導がポイントです。
保護者ができるリーダー育成サポート
① 家庭で「人を動かす力」を評価する
- 気づいた
- 助けた
- 声をかけた
結果より、関わり を褒めます。
② キャプテン=偉いという価値観を持たせない
- 役割の一つ
- チームのため
という認識を伝えます。
③ 家庭での会話が人間性を作る
- 感謝
- 思いやり
- 相手視点
日常が、ピッチに表れます。
本物のリーダーがいるチームの特徴
- 声が自然に出る
- ミス後の切り替えが早い
- ベンチが静かすぎない
- 指導者が怒鳴らない
誰か一人に依存しない チームです。
リーダー育成は「勝敗」と無関係ではない
リーダーが育つと、
- 練習の質が上がる
- 雰囲気が良くなる
- 試合中に崩れない
結果として、勝ちやすいチーム になります。
まとめ|少年サッカーで育てたいのは「声」ではなく「人」
少年サッカーで本物のリーダーを育てる方法の本質は、
- 役割を与える
- 失敗を許す
- 行動を評価する
- 全員にチャンスを与える
ことです。
リーダーは、才能ではなく環境と経験で育ちます。
そしてそれは、サッカーを超えて一生使える力 になります。
それでは最後まで記事を見ていただきありがとうございました。







