【ゲーゲンプレスとは？】強みや弱点・成功させる為のポイントについて詳しく解説！

サッカーでゲーゲンプレスという言葉を聞くことがあるかと思います。

しかしながら名前は知っていてもどんなものなのか？またサッカーをしていて今さら聞けない、、、！という方もいるかと思います。

このような疑問をもっている方におすすめの内容となっています。

本記事ではゲーゲンプレスとは何か？ゲーゲンプレスの歴史や背景、さらにゲーゲンプレスの強みや弱点、成功させる為のポイントについても詳しく解説していきます。

ゲーゲンプレスとは？

サッカーにおける「ゲーゲンプレス」（Gegenpress）とは、ボールを失った瞬間に即座に相手チームにプレッシャーをかけ、ボールを再び奪い返そうとする戦術です。ドイツ語の「Gegen」は「対抗する」や「反対」を意味し、「Press」は「プレス」や「圧力」を指します。

ゲーゲンプレスの目的は、相手チームが攻撃を組み立てる前にボールを奪い返すことで、自チームの守備負担を減らし、さらに攻撃的なポジションでボールを保持するチャンスを増やすことです。ボールを失った直後は相手が組織的に整っていないため、この瞬間にプレスをかけることでボールを奪いやすくなります。

ゲーゲンプレスの歴史

ゲーゲンプレスは近年のサッカーで注目を浴びるようになりましたが、その原点は1980年代から1990年代かららと言われています。

1987年にイタリアのACミランを指揮したアリゴ・サッキは、組織的な守備と連動したプレス戦術を導入しました。サッキはチームは高いラインを保ち、ボールを失った瞬間に相手に強烈なプレッシャーをかけるスタイルを確立しました。ミランはヨーロッパで大きな成功を収めました。

サッキが導入してからこの守備戦術は有名になりました。

そしてゲーゲンプレスという言葉が広く認知されるようになったのは、2000年代に入ってからです。

ユルゲン・クロップが指導したドイツのボルシア・ドルトムントやリヴァプールでの成功したことでゲーゲンプレスはさらに認知されるようになりました。クロップのチームもボールを失った瞬間に一斉に相手にプレスをかけることで、相手の攻撃を封じ込め、素早くボールを奪い返すことが特徴のチームでした。

またクロップ監督ですがドルトムント時代は香川真司、リバプール時代は南野拓実、遠藤航など日本人選手を指揮していた監督です。勤勉で真面目な日本人選手はクロップの戦術とも相性が良いのでしょう。

日本でゲーゲンプレスが広まったのはクロップの影響が大きいのは間違いありません。

ゲーゲンプレス 強みと弱点について

ゲーゲンプレスによってサッキやクロップのように成功を収めた監督も世界ではいます。
また今日のサッカーではその守備戦術を参考にしている監督も多くいることでしょう。

ここではゲーゲンプレスの強みや弱点について解説していきます！

ゲーゲンプレスの強み

ゲーゲンプレスの強みについて解説していきます。

ゲーゲンプレスは攻撃をするための守備戦術であり強者を倒すためのツールです。
さらに優れたプレイメイカーなど特別な能力がなくても機能させることができる戦術です。

ゲーゲンプレスですがポゼッションを高めパスをつなぐ事が得意なチームに対してゲーゲンプレスはとても有効的でその力を発揮します。敵陣で攻撃を開始しようとする相手チームのボールを奪ったとします。相手からすると攻撃を開始しようと考えているわけなので攻撃ポジションに移動している最中です。その瞬間にボールを奪ってしまえば守備を再構築できません。つまり敵陣でプレッシングに成功すると相手の守備は整っていないので相手の守備組織を崩す手間もなく特別なプレイメーカーがいなくても得点できる確率はグッと増えます。

クロップが指揮しブンデスリーガ2連覇を達成したドルトムント時代では見事ゲーゲンプレスが機能しバイエルン・ミュンヘンから勝利を掴むことができました。

ボールを保持して攻撃することを前提とした強者に対してゲーゲンプレスは有効的であります。

リバプール時代のクロップの戦術を見ていくとロングボールが多様されていました。
そしてロングボールをまず敵陣に入れることを意図的に選手たちは意識していました。それはなぜなのか？敵陣で奪えればチャンスになると考えていたからです。
そして敵陣内へとロングボールを出します。そこで仮に相手チームに奪われたとしてもそこからゲーゲンプレスを仕掛け守備が整う前にチャンスを作りだす場面が多く見られました。
ロングボールを出すという事は近くに味方へパスするよりリスクがあります。

しかしそのような事は百も承知で質より量という言葉がとても当てはまるリバプールのゲーゲンプレスは90分間相手に対して脅威を与え続け相手に主導権を握れなくするという強みがあります。

ゲーゲンプレスの弱点

次にゲーゲンプレスの弱点について解説していきます。

ゲーゲンプレスを実行するためには、選手たちの高いフィットネスレベルが求められます。プロの試合は90分間です。この90分間を継続して高強度のプレスをかけ続けることは、選手たちに大きな負担をかけます。疲労が蓄積すると、プレッシングの効果が薄れ、逆に相手にスペースを与えてしまうことがあります。またゲーゲンプレスは高いラインでのプレッシングを基本とするため、ディフェンスラインが上がり過ぎると、相手に背後のスペースを突かれるリスクが高まります。特にスピードのある相手選手に裏を取られると、一気に決定機を作られてしまう可能性があります。

また1シーズン同じメンバーで戦っていくには厳しい戦術です。
クロップが率いていたリバプール時代では上手くローテーションでメンバーを変えていましたが故障者が多くなってしまった時期があり上手くチームとして機能せず順位を上げることができないこともありました。プレミアリーグの過密日程もありますがゲーゲンプレスは選手に負荷をかけていまうことはあります。筋肉系の怪我へのリスクは上がるなどデメリットもあります。

ゲーゲンプレスを成功させる為のポイント

これからゲーゲンプレスを導入されるチームもあるかと思います。
プロだけではなく、社会人、大学、高校、などどのカテゴリーでも浸透させることができればかなり優秀な戦術です。しかし成功させるためにはいくつかの重要なポイントがいくつかあります。以下に、ゲーゲンプレスを成功させるためのポイントを解説します。

①高いフィットネスレベルを保つ

ゲーゲンプレスは選手たちに絶えず高い強度でプレーすることを求めます。
したがって、選手のフィットネスレベルが非常に重要です。

② チーム全体の連携の強化

ゲーゲンプレスは個々の選手の動きだけでなく、チーム全体の連携が鍵となります。各選手が連動してプレッシングを行うことで、相手にプレッシャーをかけ続けることができます。

③ボールロスト直後の迅速なプレスを意識する

ゲーゲンプレスをその名の通りプレスがとても大切な戦術です。
ボールを失った瞬間に即座に相手にプレッシャーをかけることで、相手が組織的に整う前にボールを奪い返すことが重要ですが試合でいきなり実行することはできません。

練習中から意識して反復で取り組むことで試合でできるようになります。

④スペースの埋め方やカバーリングを徹底する

ゲーゲンプレスでは、ボールに集中するあまりボールウォッチャーとなりスペースが空きやすくなります。
このスペースを管理することがゲーゲンプレスではとても重要です。

まとめ

ゲーゲンプレスについて本記事では解説していきました。

ゲーゲンプレスは日本でも耳にすることが多くなりました。1980年代からと言われていますが、ゲーゲンプレスはクロップ監督によって世界中のサッカーファンに浸透した戦術であることは間違いありません。

ゲーゲンプレスはとてもダイナミックな守備戦術です。高精度のパスワーク、ポジショナルプレー、迅速なカウンターアタック、そしてボールキープとドリブルが有効な手段となります。

しかしながらそれを成功させるには高いフィジカル要素、ディフェンスラインのリスク、プレスをかわされた場合のリスク、そしてスペースの管理など様々なことを考えなければなりません。

これからも多くのチームがこの戦術を採用しさらなる進化を遂げていくことでしょう。

それでは最後まで記事を見ていただきありがとうございます。