少年サッカーの現場では、どうしても「声が大きい子」「目立つ子」が注目されがちです。
その一方で、
- 口数が少ない
- 前に出ない
- 自己主張しない
そんな おとなしい子 が、評価されにくいのも事実です。
しかし、長い育成の視点で見ると、おとなしい子が、ある瞬間をきっかけにチームの中心選手へ成長するケースは少なくありません。
この記事では、
- おとなしい子の本当の強み
- 中心選手へ変わる「瞬間」
- 指導者・保護者が見逃してはいけない成長サイン
- その成長を後押しする具体的な関わり方
を詳しく解説します。
そもそも「おとなしい子」は不利なのか?
結論から言うと、決して不利ではありません。
少年サッカーにおいておとなしい子は、
- よく見ている
- 話を聞ける
- 周囲を感じ取れる
という、後から大きく伸びる素質 を持っています。
目立たないだけで、能力が決して低いわけではありません。
おとなしい子が持つ5つの強み
① 観察力が高い
- 味方の動き
- 相手の位置
- スペース
を、無意識に見ています。
② 指示を素直に吸収できる
自己主張が少ない分、
- 話を聞く
- 試す
姿勢があります。
③ 継続力がある
派手さはなくても、
- コツコツ
- 真面目
に取り組めるのが特徴です。
日本代表にもなった選手も実はこのタイプは多くいます。
④ 感情が安定している
- キレない
- 怒らない
試合展開が悪くても、
崩れにくい選手になります。
サッカーにおいてとても大切な能力です。
⑤ 周囲から信頼されやすい
自己主張は少なくても、
- さぼらない
- 文句を言わない
こうした姿勢は、仲間から自然に信頼されます。
おとなしい子が中心選手になる「瞬間」
おとなしい子が一気に存在感を増すのは、次のようなタイミングです。
① 判断力がプレーに表れた瞬間
- ワンタッチパス
- 無理をしない選択
- 味方を活かすプレー
声は出さなくても、プレーでチームを動かし始める瞬間 です。
② 周囲が慌てる場面で落ち着いている時
- 負けている試合
- 接戦
- ミスが続く展開
そんな時に、冷静なプレーを続けられると評価が変わります。
③ 任された役割を確実にやり切った時
- 守備の役割
- ポジションの約束
- チーム戦術
を黙々と遂行した瞬間、信頼が一気に高まります。
④ 身体の成長とともに自信がついた時
成長期を迎え身体が大きくなり、
- 競り合える
- 負けなくなる
と、内面の自信が表に出始めます。
⑤ 小さな成功体験が積み重なった時
- 良いパス
- 守備のカバー
- 監督の一言
これらが積み重なると、自然と中心に近づきます。
中心選手に変わり始めたサイン
指導者・保護者が見逃してはいけない変化があります。
- プレーの選択が安定してきた
- 周囲を見て動けている
- ミスしても崩れない
- 試合終盤にボールに関わる
- 声は少なくても存在感がある
これらは、内側で大きく成長している証拠 です。
声に出さないタイプですので気づかれにくいのですが指導者はここを見逃さないようにしましょう。
指導者がやってはいけないNG対応
① 声を出すことだけを強要する
無理に声を出させると、
- 萎縮
- 自信喪失
につながります。
声が出ない子がいてもその子の個性と捉えましょう。
② 目立たない=評価しない
評価されない環境では、成長は止まります。
③ 他の子と比較する
- 「〇〇は声出してる」
これは逆効果です。絶対にやめましょう。
おとなしい子を中心選手へ導く指導ポイント
① プレーを具体的に言語化して褒める
- 「今の判断良かった」
- 「ポジション取り完璧だった」
声以外の価値を伝えます。
② 小さな役割を任せる
- 守備のスイッチ役
- 中盤のつなぎ役
責任が自信を育てます。
③ 成功体験を意図的に作る
- 得意な形
- 得意なポジション
を活かします。
④ 一対一のコミュニケーションを大切にする
人前ではなく、
- 個別
- 静かな場
で伝える方が効果的です。
保護者ができる最高のサポート
① 比較しない
- 声が出ない
- 目立たない
それは個性です。
② 成長を信じる
遅咲きは、大きく伸びます。
実際に高校、大学で劇的に伸びる可能性がありその子の成長を信じながら長期的に見ていくと良いでしょう。
③ プレー内容を見て声をかける
- 「落ち着いてたね」
- 「味方を助けてたね」
これが自信になります。
おとなしい子は“静かな中心”になれる
中心選手=声が大きいではありません。
- 判断
- 安定感
- 信頼
でチームを支える静かな中心 も、立派なリーダーです。
まとめ|おとなしい子が中心になる日は必ず来る
少年サッカーでおとなしい子が中心選手になる瞬間は、
- 観察力がプレーに表れた時
- 任された役割をやり切った時
- 自信が内側から育った時
です。
大人がすべきことは、
- 焦らせない
- 比べない
- 気づいて評価する
それだけです。
静かな成長は、確実な成長。
おとなしい子は、
必ずチームに欠かせない存在になります。
それでは最後まで記事を見ていただきありがとうございました。







